※本記事は私の投資判断を記録した企業分析メモです。投資判断は必ずご自身で行ってください。(特定銘柄の売買等を推奨しているものではありません)
NISA成長投資枠で集中投資している4銘柄のうちの1つ、シーユーシー(9158)の第3四半期決算が2月2日に発表されました。決算発表翌日(2月3日)の株価は902円(前日比+91円、+11.2%)と急騰。市場は好感したようですが、内容を詳しく見ると手放しで喜べる状況ではありません。
事前に私が分析していた通り、ホスピス事業の単価低下と新規開設に伴う初期コストが利益を大きく圧迫。一方で、第3四半期から医療機関支援の月額報酬が回復し始めるなど、下期回復のシグナルも一部で確認できました。

私は865円で126株を保有しており、2月3日終値ベースでの含み益は+4,788円(+4.39%)。今回の決算を受けて、私が事前に立てていた投資仮説がどこまで当たったのか、そして今後の保有方針をどうするかを整理します。
結論を先に言うと、「保有継続」です。ただし、次の通期決算(2026年5月発表予定)で改めての確認が必須です。
【Q3決算サマリー】売上は拡大も、利益は大幅減益

2026年3月期 第3四半期累計(2025年4月~12月)業績
| 指標 | Q3累計実績 | 前年同期比 | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 401.7億円 | +16.2% | 582.5億円 | 69.0% |
| 営業利益 | 31.8億円 | -30.5% | 55.0億円 | 57.8% |
| EBITDA | 61.3億円 | -7.2% | 102.3億円 | 59.9% |
| 親会社帰属利益 | 14.3億円 | -48.3% | 28.8億円 | 49.7% |
通期業績予想: 変更なし(据え置き)
一見すると、売上は順調に伸びているように見えます。しかし営業利益は前年比-30.5%、純利益に至っては-48.3%という大幅な減益です。
通期計画の進捗率を見ると、売上は69.0%と標準的なペースですが、純利益は49.7%と明らかに遅れています。これは典型的な「下期偏重」の構造で、第4四半期(1~3月)で大きく利益を積み上げる必要があることを意味します。
私が事前に分析していた通り、「ホスピスの新規開設コストと単価低下」、そして「医療機関支援の単価回復の遅れ」が主因です。では、私の予測はどこまで当たっていたのでしょうか?
【私の事前分析の答え合わせ】ホスピス単価・医療機関支援の予測は当たったか?
Q3決算発表の前に、私はシーユーシーの事前分析記事で、次の決算で見るべき最重要ポイントを2つ挙げていました。
✅ 予測①「ホスピス既存施設の患者当たり売上(単価)が下げ止まるか?」
結果: 的中(ただし改善はまだ)
決算短信には明確に以下の記載がありました。
「新規施設の立ち上げ期の初期赤字及び一部の既存施設の単価が減少したこと等によりセグメント利益は523百万円(前年同期比50.3%減)」
私が懸念していた通り、既存施設でも単価の低下が発生していました。新規施設の立ち上げコストだけでなく、既存施設の収益性も落ちていることが利益を大きく押し下げています。
✅ 予測②「医療機関支援の拠点当たり月額報酬が回復するか?」
結果: 部分的に的中(Q3から改善開始も、累計ではまだマイナス)
決算短信には以下の記載がありました。
「一部の支援先医療機関における収益性悪化を受けて上期中の月額報酬を一時的に減額したことに加えて、前第1四半期にM&A支援報酬が集中したことの反動減もあり、売上収益が減少しました。なお、月額報酬については、支援先医療機関の業績改善に伴い、当第3四半期連結会計期間より割引水準を段階的に適正化しており、当該水準は下期にかけて継続する見込みです。一方で、当第3四半期連結累計期間においては、上期の減額影響を相殺するに至っておりません。」
つまり、私が予測した通り「単価(月額報酬)の回復」は第3四半期から始まっています。ただし、上期(Q1・Q2)の減額影響が大きく、Q3累計ではまだマイナスという状況です。
✅ 予測③「下期偏重の構造になる」
結果: 的中
純利益の進捗率が49.7%と、明らかに下期に偏った構造です。第4四半期だけで営業利益23.2億円(前年Q4は7.5億円)を稼ぐ必要があり、前年の約3.1倍という高いハードルです。
【セグメント別分析】4事業の明暗が鮮明に
シーユーシーは4つの事業セグメントで構成されています。それぞれの業績を見ていきましょう。
①ホスピス事業:売上拡大も利益は半減
| 指標 | Q3累計実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 122.8億円 | +20.2% |
| セグメント利益 | 5.2億円 | -50.3% |
| EBITDA | 15.3億円 | -13.2% |
一言でまとめると: 「新規開設ラッシュで売上は伸びたが、立ち上げコストと既存施設の単価低下で利益は半減」
ホスピス型住宅の新規開設が計画通り進捗し、売上は前年比+20.2%と大きく伸びました。しかし、新規施設は開設直後の稼働率が低く(約52%)、採用コストや初期投資が先行するため赤字になりやすい構造です。
さらに深刻なのは、既存施設でも単価が低下している点です。私が事前に分析していた「患者当たり年間売上8.6百万円(前年8.9百万円)」という数字の悪化が、そのまま利益に直結しています。
会社側は「一部の既存施設」と説明していますが、セグメント利益が半減するレベルの影響が出ているということは、単価低下が相当に広範囲で起きている可能性があります。
②医療機関支援事業:売上・利益ともに減少
| 指標 | Q3累計実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 126.5億円 | -5.8% |
| セグメント利益 | 24.2億円 | -19.0% |
| EBITDA | 28.6億円 | -25.0% |
一言でまとめると: 「月額報酬の減額が響き減収減益。Q3から回復開始も、まだ累計ではマイナス」
最大の売上柱である医療機関支援事業が、売上・利益ともに前年を下回っています。主因は、支援先医療機関の業績悪化を受けた月額報酬の一時減額です。
ただし、ここに希望の光も見えます。決算短信には「当第3四半期連結会計期間より割引水準を段階的に適正化しており、当該水準は下期にかけて継続する見込み」とあります。つまり、Q3から報酬水準が元に戻り始めており、Q4もその流れが続くということです。
私が事前分析で指摘した「拠点当たり年間売上61百万円(前年90百万円)の回復」は、まさにこの月額報酬の適正化によって実現しつつあります。
③居宅訪問看護事業:唯一の増収増益セグメント
| 指標 | Q3累計実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 97.8億円 | +5.6% |
| セグメント利益 | 11.0億円 | +11.1% |
| EBITDA | 14.0億円 | +4.0% |
| のべ総ケア時間 | 962千時間 | +4.4% |
一言でまとめると: 「安定成長の下支え柱。新規ステーション開設コストを吸収しながら増収増益」
シーユーシーの4事業の中で、唯一増収増益を達成したのが居宅訪問看護事業です。訪問看護ステーション数は91拠点、看護師・セラピストは1,288人と着実に拡大しています。
利用者数の増加により、のべ総ケア時間が前年比+4.4%伸びたことが売上増につながりました。新規ステーション開設の初期費用が発生したにもかかわらず、利益率が改善している点は高く評価できます。
私が事前に「安定成長の下支え柱」と位置づけていた通り、ホスピスと医療機関支援が苦戦する中で、訪問看護が業績を支える構図となっています。
④メディカルケアレジデンス事業:拡大中だが一時的に赤字
| 指標 | Q3累計実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 57.3億円 | +218.8% |
| セグメント損失 | -1.5億円 | (前年利益1.2億円) |
| EBITDA | 10.5億円 | +235.3% |
一言でまとめると: 「M&Aで規模拡大も、ホスピスフロア化の改修工事で一時的に赤字」
前年Q3にノアコンツェル社を買収したことで、売上が3倍以上に拡大しました。しかし、ホスピスフロア化に向けた改修工事に伴う入居抑制が響き、セグメントとしては赤字に転落しています。
ただし、EBITDAは黒字で推移しており、改修工事が完了すれば稼働率が戻り、利益も改善する見込みです。また、服薬支援システム「服やっくん」の販売が好調との記載もあり、新しい収益源も育ちつつあります。
【最大の焦点】下期回復シナリオは実現するのか?
今回の決算で最も重要なのは、「会社が通期計画を据え置いた」という事実です。
通期計画を達成するには、第4四半期(1~3月)だけで以下の数字が必要です。
| 指標 | Q4に必要な数字 | 前年Q4実績 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 180.8億円 | 125.7億円 | 1.44倍 |
| 営業利益 | 23.2億円 | 7.5億円 | 3.09倍 |
| 純利益 | 14.5億円 | 5.6億円 | 2.59倍 |
特に営業利益は、前年Q4の3倍以上を稼ぐ必要があります。これは相当に高いハードルです。
会社が下期回復に自信を持つ理由(私の推測)
- 医療機関支援の月額報酬がQ3から回復開始しており、Q4もこの流れが継続
- ホスピス新規施設の稼働率が徐々に上昇し、立ち上げコストのピークを越える
- メディカルケアレジデンスの改修工事が完了し、入居抑制が解消される
- 訪問看護の安定成長が下期も継続
私が懸念しているリスク
- ホスピス既存施設の単価低下がQ4も続く場合、売上は伸びても利益率が改善しない
- 医療機関支援の月額報酬回復が想定より緩やかな場合、計画未達のリスク
- Q4だけで営業利益23.2億円は過去最高水準であり、達成難易度が極めて高い
【投資判断】保有継続の理由と、次の決算で見るべきポイント
私の判断:保有継続(ただし次の通期決算で最終判断)
現在、私は849円で63株を保有しており、含み益は+8.95%です。今回の決算を受けて、保有継続を決めました。理由は以下の3つです。
理由①:事前に予測していたシナリオ通りの展開
私が事前分析で指摘した「ホスピス単価の低下」と「医療機関支援の単価回復」は、ほぼ予測通りの展開となりました。Q3決算は「想定の範囲内」であり、パニック売りする理由はありません。
理由②:下期回復のシグナルが一部で確認できた
医療機関支援の月額報酬がQ3から回復し始めたこと、そして会社が通期計画を据え置いたことは、下期に向けた自信の表れと受け止めています。
理由③:株価は既に「最悪期脱却」を織り込み始めている
決算発表翌日に株価が+11.2%急騰したことは、市場が「Q3がボトムで、ここから改善する」と判断したことを示しています。現在の株価902円(PER約9.2倍)は、同業他社のアンビス(PER21倍)や日本ホスピス(PER13倍)と比べて依然として割安です。
次の通期決算(2026年5月発表予定)で必ず確認すること
ただし、「保有継続」は次の通期決算での最終確認が前提です。以下の3点を必ずチェックします。
✅ チェック①:通期計画を達成できたか?
Q4だけで営業利益23.2億円という高いハードルをクリアできたかどうか。未達の場合、2027年3月期の成長ストーリーが大きく揺らぎます。
✅ チェック②:ホスピス既存施設の患者当たり売上が反転したか?
Q3で「一部の既存施設の単価が減少」と記載されていた問題が、Q4で改善に転じたかどうか。ここが改善しないと、ホスピス事業の収益性回復は見込めません。
✅ チェック③:医療機関支援の拠点当たり売上が61百万円からどこまで回復したか?
Q3から月額報酬の適正化が始まったとのことですが、実際に拠点当たり売上がどこまで戻ったか。前年水準の90百万円に近づいていれば、本格回復のシグナルです。
まとめ|50代投資家として、シーユーシーに期待すること
今回のQ3決算は、私が事前に予測していたシナリオとほぼ一致する内容でした。
「ホスピス単価の低下と新規開設コストで利益が圧迫され、医療機関支援の月額報酬回復がQ3から始まる」
という構図は、決算短信の記載からも明確に読み取れます。
決算発表翌日の株価急騰は、「最悪期は過ぎた」との市場の判断でしょう。私も同感です。ただし、本当の勝負はQ4(1~3月)の数字です。通期計画を達成できるかどうかで、シーユーシーの成長ストーリーが継続するのか、それとも修正を迫られるのかが決まります。
50代からの投資において、私が大切にしているのは「自分なりの仮説を持ち、その検証プロセスを楽しむ」ことです。今回の決算は、事前分析の精度を確認する良い機会となりました。
次の通期決算で、私の投資仮説が正しかったのかどうか、最終確認をします。それまでは、保有を継続しながら、シーユーシーの事業が日本の医療課題をどう解決していくのかを見守りたいと思います。
「医療という希望を創る。というシーユーシーのミッションに共感し、超高齢社会の日本で必要とされる企業だと信じているからこそ、短期の業績ブレに動揺せず、長期目線で保有を続けます。
※投資は自己責任でお願いいたします。本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。


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