ストップ安でシーユーシー(9158)を全株売却|2026年3月期決算で投資ストーリーが崩れた理由

※本記事は私の投資判断を記録した企業分析メモです。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身で行ってください。

シーユーシー【9158】の2026年3月期本決算が、2026年4月30日に発表されました。

結論から言うと、私は今回の決算を受けて、保有していたシーユーシー株を全株売却しました。

売却を決めたのは、4月30日の決算発表後です。

この時点でのシーユーシーの終値は923円。
私の投資損益は、終値ベースで+9,894円(+3.82%)でした。

つまり、売却を決めた時点では損をしていたわけではありません。
ギリギリではありますが、まだ含み益が残っていました。

しかし翌5月1日、シーユーシーは寄り付きから値段が付かず、強い売り気配となりました。
そして、私の売却注文は773円で291株すべて約定しました。

前日終値923円から150円安。
値幅制限いっぱいのストップ安水準での約定です。

最終的な売却結果は以下の通りです。

項目内容
売却日2026年5月1日
売却株数291株
平均約定単価773円
売却金額224,943円
取得単価約889円
実現損益-33,756円
損益率-13.05%

前日の時点では、+9,894円の含み益。
翌日の実際の売却では、-33,756円の実現損。

一晩で、含み益から損失に変わりました。

正直、痛いです。
悔しさもあります。

ただ、不思議と気持ちはかなり冷静でした。

なぜなら、売却することは前日の夜に決めていたからです。
そして、注文もあらかじめ設定していました。

もし5月1日の朝、寄り付きで値段が付かない板を見ながら売るかどうかを考えていたら、迷っていたかもしれません。

「ここまで下がったなら、少し戻るまで待とうか」
「さすがに売られすぎではないか」
「いったん反発するかもしれない」

そう考えてしまった可能性はあります。

でも、今回は違いました。

決算を読み、購入時の投資ストーリーと照らし合わせたうえで、前日の夜に売却を決めていました。

だから、ストップ安水準での約定になっても、比較的冷静に受け止めることができました。

今回の売却は、株価に振り回された結果ではありません。
決算を見て、投資ストーリーが崩れたと判断した結果です。


目次

今年初の「徹底分析・集中投資銘柄」の売却

今年に入ってから、私はNISA成長投資枠を中心に、徹底分析した銘柄へ集中投資するという方針で個別株投資を進めてきました。

その中で、シーユーシーは私にとって重要な保有銘柄のひとつでした。

買う前に事業内容を調べ、決算資料を読み、競合とも比較し、自分なりに投資ストーリーを作って購入した銘柄です。

そのため、今回の売却は私にとって少し特別です。

今年に入ってから開始した「徹底分析・集中投資銘柄」の中では、今回が初めての売却になります。

正直、悔しいです。

4月中旬には株価が1,040円台まで上昇していました。
その時は、自分の投資仮説が市場にも評価され始めたように感じていました。

しかし、最終的には773円での売却。
結果としては損失です。

ただ、それでも売却判断は必要だったと考えています。

なぜなら、投資仮説が崩れたにもかかわらず保有を続けることは、自分の投資ルールに反するからです。

今回は、なぜシーユーシーを全株売却したのか。
2026年3月期決算の内容と、購入時の投資ストーリーの答え合わせを整理します。


シーユーシー【9158】とは?

まず、私がシーユーシーに注目した理由を整理します。

シーユーシーは、医療・介護領域で複数の事業を展開している会社です。

主な事業内容は以下です。

日米医療機関支援、難病向けホスピス、居宅訪問看護が柱。多機能併設施設にも参入。

2025年3月期時点の事業構成は以下の通りです。

セグメント売上構成比
医療機関37%
ホスピス29%
居宅訪問看護26%
メディカルケアレジデンス8%
その他0%

また、海外売上比率は15%でした。

シーユーシーの特徴は、ホスピス専業ではなく、医療機関支援、ホスピス、居宅訪問看護、メディカルケアレジデンスを組み合わせた複合型の医療プラットフォーム企業である点です。

私が特に魅力を感じていたのは、以下の3点です。

  1. 日本の高齢化により、在宅医療・ホスピス・訪問看護の需要が伸びる
  2. 医療機関支援という収益性の高い事業を持っている
  3. アメリカ事業の拡大により、国内だけでない成長余地がある

日本は高齢化が進んでいます。
在宅医療や終末期医療のニーズも高まっています。

医療機関支援、ホスピス、訪問看護という領域は、社会的にも必要性が高いと考えていました。

一方で、株価は当時、低PERで放置されていました。

その理由は明確で、足元の業績に不安があったからです。

ただ、私はその不安を「一時的なボトルネック」と見ていました。

つまり、私の投資ストーリーはこうでした。

成長性のある医療領域で事業を展開しているが、足元の業績不安で株価が割安。
ホスピス単価と医療機関支援の月額報酬が回復すれば、利益が戻り、株価も再評価される。


購入時の投資ストーリー

私がシーユーシーを購入した理由は、単純に「医療・介護は長期的に伸びるから」ではありません。

もちろん、医療・介護領域の成長性は大きな魅力でした。

ただ、それだけでは投資理由としては弱いです。

私が重視していたのは、以下のようなストーリーです。

購入時の投資仮説

  • シーユーシーは医療機関支援・ホスピス・居宅訪問看護を持つ複合型医療プラットフォーム
  • 医療・介護領域は日本の高齢化を背景に中長期で需要が伸びる
  • アメリカ事業の拡大もあり、国内外で成長余地がある
  • 足元ではホスピス単価低下と新規開設コストが業績のボトルネック
  • 医療機関支援も月額報酬の一時減額で利益が弱い
  • ただし、これらが改善すれば利益は戻る
  • 低PERで放置されている株価は、KPI改善で再評価される可能性がある

特に重視していたKPIは、以下の2つでした。

  1. ホスピスの入居者当たり年間売上収益
  2. 医療機関支援の支援先主要拠点当たり年間売上収益

つまり、私の投資仮説は、

単価が戻れば利益が戻る。
利益が戻ればPERが修復する。

というものでした。

今回の決算では、この前提がどうなったのかを確認しました。


シーユーシー【9158】2026年3月期決算の概要

まず、2026年3月期の通期実績を確認します。

指標2025年3月期2026年3月期前期比
売上収益470.4億円543.5億円+15.5%
EBITDA80.5億円85.2億円+5.8%
営業利益53.4億円57.8億円+8.2%
税引前利益52.5億円51.1億円-2.6%
親会社帰属利益31.3億円28.5億円-8.9%
EPS106.81円97.35円-8.9%

一見すると、売上収益は15.5%増、営業利益も8.2%増です。

表面上は「増収増益」に見えます。

しかし、今回の決算で重要なのは、営業利益の中身です。

決算説明資料では、事業用不動産3件の流動化に伴う売却益として、1,441百万円が発生したと説明されています。

つまり、2026年3月期の営業利益57.8億円には、不動産流動化に伴う売却益14.4億円が含まれています。

この売却益を除くと、実質的な営業利益はざっくり以下です。

57.8億円 − 14.4億円 = 約43.4億円

前期の営業利益53.4億円と比較すると、本業ベースでは実質減益と見るべき内容です。

ここが今回の決算の大きなポイントです。


通期計画との比較|営業利益だけ達成、売上・EBITDAは未達

次に、会社計画との比較です。

指標通期計画実績計画比
売上収益582.5億円543.5億円-6.7%
EBITDA102.3億円85.2億円-16.8%
営業利益55.0億円57.8億円+5.1%
親会社帰属利益28.8億円28.5億円-0.9%

営業利益は計画を5.1%上回りました。

しかし、売上収益は6.7%未達。
EBITDAは16.8%未達です。

特に重要なのはEBITDAです。

EBITDAは、本業の稼ぐ力を見るうえで重要な指標です。
そのEBITDAが、計画102.3億円に対して実績85.2億円にとどまりました。

営業利益だけが計画を上回った理由は、不動産売却益の影響が大きいと考えています。

つまり、今回の決算は、

本業が計画通り回復したから営業利益を達成したのではなく、不動産売却益で営業利益を押し上げた

と見るべきだと判断しました。


Q4単独で見ると、本業回復は確認できなかった

Q3決算時点で、シーユーシーは通期計画を据え置いていました。

そのため、Q4でかなり大きく利益を稼ぐ必要がありました。

Q3累計と通期計画から逆算すると、Q4に必要だった数字は以下です。

指標Q3累計通期計画Q4に必要だった数字
売上収益401.7億円582.5億円180.8億円
EBITDA61.3億円102.3億円41.0億円
営業利益31.8億円55.0億円23.2億円
親会社帰属利益14.3億円28.8億円14.5億円

実際のQ4単独実績は以下です。

指標Q4実績
売上収益141.8億円
EBITDA23.9億円
営業利益26.0億円
親会社帰属利益14.2億円

営業利益だけを見ると、Q4で26.0億円を稼ぎ、必要だった23.2億円を上回っています。

しかし、ここにも不動産売却益14.4億円が含まれています。

不動産売却益を除くと、Q4の実質営業利益は以下です。

26.0億円 − 14.4億円 = 約11.6億円

つまり、本業ベースでは、Q4に必要だった営業利益23.2億円には大きく届いていません。

この時点で、私が期待していた、

Q4から本業利益が回復する

というストーリーは崩れたと判断しました。


ホスピス事業|単価は反転せず、Q4でさらに低下

次に、私が最も重視していたホスピス事業です。

指標2025年3月期2026年3月期前期比
売上収益137.6億円167.1億円+21.5%
セグメント利益10.0億円9.8億円-2.2%
EBITDA20.1億円22.4億円+11.4%
EBITDAマージン14.6%13.4%-1.2pt

売上収益は21.5%増。
EBITDAも11.4%増です。

一見すると、ホスピスは成長しているように見えます。

しかし、利益率は低下しています。
EBITDAマージンは14.6%から13.4%へ低下しました。

その主因は、購入時から懸念していた単価低下新規施設の初期赤字です。


ホスピス単価は8.6百万円から8.5百万円へ低下

私が最も重視していたKPIが、ホスピスの入居者当たり年間売上収益です。

推移は以下の通りです。

四半期入居者当たり年間売上収益
25/3 Q39.0百万円
25/3 Q48.7百万円
26/3 Q18.6百万円
26/3 Q28.6百万円
26/3 Q38.6百万円
26/3 Q48.5百万円

購入時の私の仮説は、8.6百万円で下げ止まり、Q4以降に反転する可能性があるというものでした。

しかし実際には、Q4で8.5百万円へさらに低下しました。

会社側は、稼働日減の影響を除けばQ3対比で増加と説明しています。

ただ、開示KPIとしては低下しています。

投資家としては、これは素直にネガティブです。

さらに、2027年3月期には、診療報酬改定に伴う包括報酬制度への移行による単価影響も見込まれています。

つまり、

ホスピス単価は底打ちしたのではなく、来期も逆風が続く可能性がある

という見方に変わりました。

ここで、私の投資ストーリーの中核は崩れました。


新規施設稼働率もQ4で大きく低下

ホスピスで次に重要なのが、新規施設の稼働率です。

四半期既存施設稼働率新規施設稼働率
25/3 Q384.1%61.1%
25/3 Q484.0%52.8%
26/3 Q185.2%41.7%
26/3 Q286.0%56.7%
26/3 Q385.9%61.6%
26/3 Q484.3%38.1%

Q3では、新規施設稼働率が61.6%まで改善していました。

しかし、Q4では38.1%まで低下しました。

会社側は、ノアコンツェル4施設の一部ホスピスフロア化の立ち上がり遅延と説明しています。

ただ、投資家目線では、新規施設や転換施設の立ち上がりが想定より難しいことを示しています。

ホスピス事業は、

  1. 施設を開設する
  2. 稼働率を上げる
  3. 単価を維持する
  4. 初期赤字を解消する

という流れで利益が出るビジネスです。

今回の決算では、

  • 施設数は増えた
  • しかし新規稼働率は低下
  • 単価も低下
  • 利益率も低下

という結果でした。

売上成長は続いています。
しかし、利益成長につながるKPIが弱い。

これが今回のホスピス事業の評価です。


医療機関支援|Q4は回復も、M&A支援報酬の集中に注意

次に、医療機関セグメントです。

指標2025年3月期2026年3月期前期比
売上収益176.0億円173.1億円-1.7%
セグメント利益36.2億円45.6億円+26.0%
EBITDA45.7億円39.6億円-13.4%

売上収益は1.7%減。
EBITDAは13.4%減です。

つまり、本業ベースでは苦戦しています。

一方で、セグメント利益は26.0%増となっています。

これは、不動産信託受益権の譲渡に伴う売却益11.9億円がQ4に発生したためです。

したがって、セグメント利益の増加をそのまま本業回復と見ることはできません。


医療機関支援の拠点当たり売上はQ4で回復

一方、国内医療機関支援のKPIには改善も見られました。

四半期支援先主要拠点当たり年間売上収益
25/3 Q374百万円
25/3 Q469百万円
26/3 Q162百万円
26/3 Q259百万円
26/3 Q360百万円
26/3 Q475百万円

Q4は75百万円まで回復しました。

ここはポジティブです。

ただし、決算説明資料では、国内M&A支援案件がQ4に集中したと説明されています。

つまり、Q4の回復には、月額報酬の正常化だけでなく、M&A支援報酬という一過性要因も含まれています。

そのため、医療機関支援については、

Q4で一定の回復は確認できたが、継続的な利益回復とまではまだ言い切れない

という評価です。


居宅訪問看護|ここは安定成長を維持

今回の決算で、最も安心感があったのは居宅訪問看護です。

指標2025年3月期2026年3月期前期比
売上収益123.1億円129.5億円+5.2%
セグメント利益12.1億円14.2億円+17.5%
EBITDA16.5億円18.3億円+10.7%
EBITDAマージン13.4%14.1%+0.7pt

居宅訪問看護は、増収増益です。
EBITDAマージンも改善しています。

新規ステーションの開設に伴う初期赤字はありましたが、看護師・セラピストの稼働率向上により収益性を確保しています。

ここは、私が購入時に見ていた通り、グループ全体を支える安定成長の柱です。

ただし、シーユーシー全体の投資ストーリーを支えるには、居宅訪問看護だけでは不十分です。

やはり、ホスピスと医療機関支援の回復が必要でした。


メディカルケアレジデンス|売上・EBITDAは拡大も赤字継続

メディカルケアレジデンスも確認します。

指標2025年3月期2026年3月期
売上収益35.7億円77.0億円
セグメント利益3.0億円-2.6億円
EBITDA6.4億円13.5億円

売上とEBITDAは大きく伸びています。

一方で、セグメント損失は2.6億円です。

要因は、

  • ホスピスフロア化に伴う入居抑制
  • 入居定員数の減少
  • 人材採用・育成への先行投資

です。

EBITDAは黒字なので、キャッシュ創出力はあります。

しかし、会計上の利益貢献はまだこれからです。

このセグメントは成長余地はありますが、短期的に全社利益を押し上げる存在にはまだなっていません。


2027年3月期予想|売上成長でも利益は大幅減益

今回の決算で、私が最も重く見たのは来期予想です。

2027年3月期の会社予想は以下です。

指標2026年3月期実績2027年3月期予想前期比
売上収益543.5億円646.0億円+18.9%
営業利益57.8億円38.0億円-34.3%
税引前利益51.1億円28.0億円-45.2%
親会社帰属利益28.5億円11.0億円-61.5%
EPS97.35円37.52円-61.5%

売上収益は18.9%増の予想です。

しかし、営業利益は34.3%減。
親会社帰属利益は61.5%減。
EPSも61.5%減です。

これはかなり厳しい内容です。

会社側は、2027年3月期を「事業基盤の構築フェーズ」、2028年3月期以降を「収益化フェーズ」と位置付けています。

つまり、利益回復は2027年3月期ではなく、2028年3月期以降に先送りされた形です。

私が購入時に期待していたのは、

2026年3月期下期から利益が回復し、2027年3月期には再成長へ向かう

というストーリーでした。

しかし、今回の来期予想では、このストーリーがかなり否定されたと感じました。


低PERグロースという前提も崩れた

購入時、シーユーシーはPER面で割安に見えました。

当時は、会社予想EPS98.24円を前提に、株価875円でPER約8.9倍。
同業のアンビスや日本ホスピスと比べても、かなり低い水準でした。

そのため、私は、

KPI改善が確認されれば、PERが8倍台から12倍程度に修復する可能性がある

と考えていました。

しかし、今回発表された2027年3月期予想EPSは37.52円です。

仮に株価875円で計算すると、

875円 ÷ 37.52円 = PER約23.3倍

です。

決算発表日の終値923円で計算すると、

923円 ÷ 37.52円 = PER約24.6倍

です。

つまり、購入時には「低PERで割安」に見えていたものが、来期予想ベースでは割安とは言いにくくなりました。

これはかなり大きな変化です。

低PERの理由は「一時的な不確実性」ではなく、来期の利益水準そのものが大きく落ちる可能性だった。

そう見方が変わりました。

ここで、私の「低PERグロース株」としての投資ストーリーも崩れました。


購入時の投資ストーリーとの答え合わせ

ここで、購入時の投資仮説と今回の決算結果を整理します。

購入時の投資仮説今回の決算結果判定
成長性のある医療領域で日米展開事業テーマ自体は継続継続
足元の業績ボトルネックは一時的来期も大幅減益予想崩れた
ホスピス単価が8.6百万円で下げ止まるQ4で8.5百万円へ低下崩れた
新規施設稼働率が改善するQ4で38.1%へ低下崩れた
医療機関支援の単価が戻るQ4は75百万円に回復。ただしM&A支援報酬集中半分だけ
居宅訪問看護は安定成長増収増益、EBITDAマージン改善継続
Q4から利益が回復する営業利益は売却益込みで達成。本業EBITDAは計画未達崩れた
KPI改善でPER修復来期EPS37.52円で割安感が後退崩れた
2027年3月期に利益成長へ営業利益34.3%減、純利益61.5%減予想崩れた

こうして見ると、私が保有を続ける理由はかなり薄くなりました。


なぜ全株売却したのか

私がシーユーシーを全株売却した理由は、株価が下がりそうだからという短期的な理由だけではありません。

最大の理由は、購入時に立てた投資仮説が決算によって否定されたからです。

私が重視していたのは、以下の流れでした。

  1. 成長性のある医療領域で、日米に事業展開している
  2. 足元の業績ボトルネックが解消する
  3. ホスピス単価が下げ止まる
  4. 新規施設稼働率が改善する
  5. 医療機関支援の月額報酬が戻る
  6. 下期に利益が回復する
  7. 来期以降、利益成長が再開する
  8. 低PERから再評価される

しかし今回の決算では、

  • ホスピス単価は下げ止まらなかった
  • 新規施設稼働率は悪化した
  • EBITDAは計画未達だった
  • 営業利益は不動産売却益に支えられた
  • 来期は大幅減益予想だった
  • EPS低下によりPERの割安感も後退した

という結果でした。

この状況で保有を続けると、投資仮説ではなく、

「いつか戻るかもしれない」
「長期では需要があるはず」
「株価が戻ったら売りたい」

という願望に近い保有になってしまうと感じました。

そのため、私は保有していたシーユーシー株を全株売却しました。


結果としては損失。でも、売却判断は変わらなかった

今回の売却は、結果だけ見れば損失です。

売却を決めた4月30日時点では、終値ベースで+9,894円の含み益がありました。

しかし、翌5月1日はストップ安水準での約定となり、最終的には-33,756円の実現損になりました。

正直、悔しいです。

4月中旬には株価が1,040円台まで上昇していたことを考えると、

「あの時に売っておけば」

と思う気持ちもあります。

でも、それは結果論です。

当時はまだ、2026年3月期本決算でホスピス単価や医療機関支援の回復を確認できる可能性がありました。
だからこそ、決算を待つ判断をしました。

そして、今回の決算でその確認ができなかった。
むしろ、来期大幅減益予想により、利益成長ストーリーは2028年3月期以降に先送りされました。

であれば、ここで売却するのが私のルールです。

結果として、利益が残っているうちに撤退することはできませんでした。

ただ、それでも今回の売却判断は必要だったと考えています。

利益が残ったかどうかではなく、投資仮説が崩れた時点で撤退できたこと。
そこに意味があると思っています。

今回の損失は悔しいです。

でも、崩れたストーリーに資金を置き続けなかったことは、今後の投資に活きる経験になるはずです。


売却は失敗ではなく、仮説検証の結果

今回の売却は、もちろん悔しい判断です。

シーユーシーは、日本の高齢化、在宅医療、ホスピス、訪問看護という長期テーマに合致する企業だと考えていました。

その考え自体は、今も大きくは変わっていません。

日本の医療・介護需要は今後も伸びると思います。
ホスピスや訪問看護の社会的な必要性も高いです。

ただし、投資対象として見る場合は別です。

長期需要があることと、個別企業の利益が伸びることは同じではありません。

今回のシーユーシーは、

社会的需要はあるが、個社の利益成長ストーリーは再構築待ち

という状態に見えます。

私は、購入時に自分で決めたKPIを確認し、そのKPIが期待と違ったため売却しました。

これは単なる損切りというより、仮説検証の結果だと受け止めています。

買う前に仮説を立てる。
決算で検証する。
仮説が崩れたら撤退する。

今回の投資では、最終的に損失になりました。
でも、このプロセス自体は今後も大切にしたいと思っています。


今後、再びシーユーシーを買うなら見るポイント

今回売却しましたが、シーユーシーを二度と見ないというわけではありません。

再び投資対象として検討するなら、以下のKPIを確認したいです。

再投資を検討するためのチェックポイント

  • ホスピス単価が8.5百万円から下げ止まるか
  • 包括報酬制度の影響がどこまで出るか
  • 新規施設稼働率が50%台、60%台へ戻るか
  • ノアコンツェルのホスピスフロア化が軌道に乗るか
  • 医療機関支援の月額報酬がM&A支援報酬なしでも回復するか
  • 居宅訪問看護の増収増益が継続するか
  • メディカルケアレジデンスの赤字が縮小するか
  • 米国OBL投資の初期費用が想定内に収まるか
  • 2028年3月期以降の収益化が数字で見えるか
  • EPSが再び成長軌道に戻るか

特に重要なのは、やはりホスピスです。

ホスピス単価と新規施設稼働率が改善しない限り、シーユーシーの利益成長ストーリーは再び描きにくいと考えています。


まとめ|シーユーシーは投資対象から外します

今回の2026年3月期決算を受けて、私はシーユーシーを全株売却しました。

当初の投資方針は、成長性のある医療領域で、日本とアメリカを対象に事業を展開している企業でありながら、足元の業績ボトルネックによって株価が割安になっている、というものでした。

しかし今回の決算では、

  • 売上収益は15.5%増
  • 営業利益は計画を上回る
  • しかし営業利益は不動産売却益の影響が大きい
  • EBITDAは計画を16.8%下回る
  • ホスピス単価はQ4で8.5百万円へ低下
  • 新規施設稼働率は38.1%へ低下
  • 2027年3月期は営業利益34.3%減、純利益61.5%減予想
  • EPS低下により低PERの前提も崩れた

という内容でした。

もちろん、シーユーシーの長期的な事業テーマは魅力的です。

医療機関支援、ホスピス、訪問看護、メディカルケアレジデンスという事業領域は、今後も社会的に必要とされると思います。

しかし、投資では「社会的に必要」だけでは不十分です。

株価が再評価されるには、利益成長とKPI改善が必要です。

今回の決算では、私が期待していたKPI改善は確認できませんでした。

そのため、私はシーユーシーを一度売却し、今後は2027年3月期の四半期決算で本業回復が確認できるかを外から見守ることにします。

今回の投資は、結果として思い通りにはなりませんでした。

売却を決めた時点では含み益。
しかし、実際の売却はストップ安水準での約定。
最終的には-33,756円の損失です。

悔しさはあります。

でも、今回の判断に大きな後悔はありません。

なぜなら、私は株価が下がったから売ったのではなく、投資ストーリーが崩れたから売ったからです。

もし株価だけを見ていたら、773円で売るのはかなり苦しかったと思います。

でも、前日の夜に決算を読み、投資仮説と照らし合わせ、売ると決めていました。

だから、ストップ安水準での約定になっても、比較的冷静に受け止めることができました。

今回の売却は、私にとって今年初めての「徹底分析・集中投資銘柄」の売却です。

結果としては損失でした。
悔しいです。

それでも、崩れたストーリーに資金を置き続けなかったことは、自分の投資方針を守る判断だったと思います。

含み益でも売る。
含み損でも買う。
損益ではなく、投資ストーリーで判断する。

今回のシーユーシー売却は、その方針を実際に試された出来事でした。

この経験を、次の投資判断に活かしていきます。

※投資は自己責任でお願いいたします。本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

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この記事を書いた人

こんにちは、「じょーじ(50)」です。
2008年に入社した大手IT企業で、ビジネス開発や新規事業を担当してきました。数年前には子会社に出向し、教育事業の立ち上げを責任者として担当しました。
それ以前は、IT業界専門の人材サービス企業で人材紹介サービスの新規事業立ち上げに携わり、最終的には人材紹介事業の責任者も務めました。
大学4年生、高校1年生、中学2年生の3人の父親でもあります。
「Journey from 50」では、投資・副業・起業・健康・学び・旅・食・子育てなど、50代からの挑戦をプロセスごとにリアルに発信。結果だけでなく挑戦の過程を共有し、読者の皆さんと一緒に「人生に遅すぎることはない」を体現しながら楽しむことを目指しています。
資格をとる気はありませんがファイナンシャルプランナーの学習を開始しました。

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