50代からはじめる・見直す資産運用!ポートフォリオ実例と基本戦略をFP資格勉強中の現役50代が徹底解説

50代の資産運用のポートフォリオはどう組めば良いのだろう?

50代の資産運用はどう考えれば良いのだろう?

と悩んでいませんか?

私は50歳を迎えて、同じように資産運用の“見直し”を考えました。
定年までの10年をどう使うか(そもそも定年まで今の会社にいるのか?も含めて)

子どもの教育費、住宅ローンの残債、そしてこれからの自分の人生設計。
ひとつひとつを現実的に見つめ直すタイミングが、まさに50代だと感じています。

本記事では、FP資格を学びながら実際に運用している現役50代のリアルポートフォリオをもとに、
「資産を守りながら増やす」ための基本戦略と、実践的な考え方をわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

世界一周や海外移住など、人生の夢を実現するために「投資資産1億円」を目指しています。 「長期」「積立」「確信を得るまで分析する」投資を信条に、 ファイナンシャルプランナーの学習を通じて資産形成の本質を探り続けています。

目次

第1章:50代の投資戦略は「守り」と「攻め」のバランスで考える

50代の投資では「ポートフォリオを意識して構築」がオススメ

「50代の資産運用はどうすればいいのか」「今から始めても遅いのではないか」――
そんな不安を感じる人は多いと思います。

しかし実際には、40代後半から50代は「資産の総点検」と「ポートフォリオの再構築」を行うのにちょうど良いタイミングだと私は感じています。

理由はいくつかあります。

  • 収入が安定しており、一定の余力を運用に回せる時期であるケースが多い
  • これまでの経験をもとに、リスクへの理解が深まっているケースが多い
  • 子どもの進学や住宅ローン完済などの目途がついているケースが多い

つまり、40代後半から50代は「これまで築いた資産を、どう守りながら育てるか」を考える時期。
現金だけに偏りすぎるのも、逆に高リスク資産に集中しすぎるのも避けたいところです。
40代後半から50代に求められるのは、守りと攻めのバランスをとった現実的な投資戦略です。


円だけで運用することが、すでにリスクになる時代

かつての日本では「円預金=安全」が常識でした。
しかし金利ゼロ時代が続き、インフレと円安が進む今の環境では、「円だけで守る」こと自体がリスクになりつつあります。

私はこの点を強く意識し、通貨の分散を“守りの戦略”として取り入れることを考えています。
資産全体を円だけでなく、ドルやユーロ、オーストラリアドルなど複数通貨に分けて持つことで、
円安局面でも資産価値を一定に保ちやすくなります。
これは“攻めの投資”ではなく、資産防衛の一部としての通貨分散だと考えています。


私のポートフォリオ戦略(3ゾーン×通貨分散)

私は資産全体を次の3つのゾーンで整理したいと考えています。
今後1年くらいかけて、リバランスしていこうと思います。

ゾーン目的比率の目安主な手段(例)通貨の考え方
① 生活防衛資金予期せぬ出費に即応20〜30%普通預金・定期・個人向け国債・外貨MMF円+一部外貨(USD/EUR)で為替クッションを持たせる
② 安定運用元本を守りつつ利回り上積み40〜50%国内債券、高配当株、インフラファンド、米国債ETF、ヘッジ付外債円/ドル/ユーロの比率を意識しながら安定運用
③ 成長運用長期のリターン源泉20〜30%日本株・米国株・全世界株ETF、テーマ株(サテライト)円建てを中心に、外貨資産とバランスを取る

生活防衛資金では“すぐに使える資金”を確保しつつ、
あえて一部を外貨MMFやFXで保有することを考えています。これにより、円安局面でもバランスを維持しやすくなります。
安定運用ゾーンでは、国内債券や高配当株などの守りを中心に、米国債ETFや外債を加えて通貨分散を強化。
そして成長運用ゾーンでは、日本株・米国株などリスク資産を組み込みつつ、通貨全体の偏りを抑えることを意識しています。


外貨運用は「目的」で使い分ける

外貨運用というと、「MMF=比較的安全」「FX=リスクが高い」という単純な分け方をされがちですが、
実際には目的と使い方によってどちらも有効に機能するのではないかと研究中です。

外貨MMFは、現物資産として信託保全があり、手軽に通貨分散を行える。
一方でFXは、スプレッド(手数料)が低く、多通貨分散に柔軟に対応できるという利点があります。

私自身は、FXを“短期売買のツール”ではなく、通貨を長期保有するための手段として活用したいと考えています。
ただFXにはロスカットという仕組みがあります。

このロスカットは高レバレッジでは非常に重要な仕組みだと思いますが。
私はレバレッジは1〜1.5倍に抑え、ロスカットが発生しないよう余力資金を常に確保して運用したいと考えています。

これにより、実質的には外貨MMFとほぼ同等の安定資産として運用できます。
為替変動を「恐れる対象」ではなく、「時間をかけて吸収していくもの」と捉えることが大切なのではないかなと考えています。


外貨投資の中でも“守り”と“攻め”を持つ

外貨投資には二つの役割を考えています。

まずは、米ドル・ユーロ・オーストラリアドル・カナダドルなど、基軸・準基軸・資源国通貨を中心とした「守りの外貨投資」です。
これらは通貨価値が比較的安定しており、円の下落リスクを和らげる存在かと思います。

もう一方は、トルコリラ(TRY)、ブラジルレアル(BRL)、メキシコペソ(MXN)、南アフリカランド(ZAR)といった「攻めの外貨投資」です。
金利差によるスワップ収益が魅力で、為替変動を受けながらもインカムリターンを得やすい通貨です。

私は外貨投資全体の中で、こうした高金利通貨の比率を5%〜20%程度投資しようと考えています。
とは言えトルコリラ(TRY)、ブラジルレアル(BRL)、メキシコペソ(MXN)、南アフリカランド(ZAR)といった「攻めの外貨」はリスクも高いので少しづつ積立投資(ドルコスト平均法)しようかなと思います。

米ドルやユーロを中心とした守りの通貨で資産の土台を築き、
その上に少量の高金利通貨をスパイスとして加える。
この“外貨の中での攻守分散”で、私のポートフォリオを安定させたいと思います。


「守りながら攻める」は矛盾ではない

“守りながら攻める”というと、一見矛盾して聞こえるかもしれません。
しかし実際には、守りと攻めはトレードオフではなく、補い合う関係にあります。

円の価値が下がっても、外貨資産がその下落を和らげてくれる。
株式市場が停滞しても、高金利通貨のスワップ収入が一定のリターンを生み出してくれる。
その逆も然りで、外貨が弱いときには円資産が支えとなる。

つまり、守りと攻めを併せ持つことで、どの相場局面でも動じにくいポートフォリオが作れると考えています。
複数通貨でポートフォリオを組むのは、私にとっても初めての経験なので、少しづつ勉強しながら進めていこうと思います。

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第2章|50代で資産ポートフォリオを組む前に整理すべき3つのこと

目的・リスク許容度・投資期間を“自分の言葉”で定義する

投資の目的が曖昧なまま資産ポートフォリオを組むと、相場が荒れたときに迷いが出やすくなります。
「一時的な下落なのか」「戦略を変えるべきなのか」の判断ができないのは、
目的・リスク許容度・投資期間の3つが曖昧なまま走り出しているケースが多いのではないかと思います。

50代の投資は、時間・収入・責任のどれもが20代や30代とは異なります。
だからこそ、“他人のモデル”ではなく、“自分の設計”で考えた方が納得した投資になるのではないでしょうか?

投資の目的を考える ― お金を増やすことだけがゴールではない

「投資の目的は何ですか?」と聞かれると、多くの人は「お金を増やすこと」と答えるかもしれません。
けれども、実際に運用を続けていると、それだけでは方向を見失いやすいと感じます。

たとえば、同じ“お金を増やす”でも、
老後資金を確保するための運用と、今の生活を少し豊かにするための運用とでは、
取るべきリスクの度合いや、投資の続け方がまったく異なります。

50代の投資は、収入も責任も生活スタイルも多様です。
だからこそ、投資の目的も人によって違っていいと思います。
ただ一つ言えるのは、「お金をどう使いたいのか」まで含めて考えると、投資はより現実的で、自分らしいものになるということです。

老後の生活を安心して送るために資産を守るのか。
将来の夢や挑戦のために少しずつ増やしていきたいのか。
あるいは、子どもや家族に何かを残すための準備なのか。

私は投資資産だけで1億円を50代で達成したいと考えています。その理由など具体的なことは下記の記事で詳しく語っています。

あわせて読みたい
50代から投資資産1億円を目指す理由 前回の記事「50代からの投資宣言~投資資産だけで1億円を目指す~」では、私の「投資宣言」をお伝えしました。50歳を迎え、子育ても一段落した今、次に目指すのは、投...

目的に“正解”はありません。
けれど、その目的を言葉にしておくことで、相場が荒れたときでも軸を見失いにくくなります。
たとえば私自身は、「老後に備える運用」と「今を楽しむための運用」を分けて考えるようにしています。
どちらか一方に偏ると、守りすぎて面白くなくなったり、攻めすぎて不安が増えたりする。
両方を持つことで、投資が自分の生活に自然に溶け込んでいくように思います。

投資期間は、「お金を使うまでの時間」として考える

投資を考えるとき、「あと何年働けるか」や「何歳までに資産をつくるか」を基準にしがちです。
けれど、50代にとってそれは少し先の話で、今の自分の感覚とは少しずれているようにも思います。

私がしっくりくるのは、投資期間を“お金を使うまでの時間”として考えることです。
教育費や住宅ローン返済など、近い将来に必要なお金は“短期の資金”。
一方で、定年後の生活費や、趣味・旅行などに使いたいお金は“中長期の資金”。
このように「お金の使い道」と「使うタイミング」を整理することが、投資期間の設計そのものだと感じています。

私は投資期間を2つのフェーズで捉えています。
ひとつは、元本をつくる期間
もうひとつは、つくった元本を減らさずに回し続ける期間
前半では積み上げを意識し、後半では「守りながら増やす」にシフトしていく。
その両方を見据えることで、投資を“積み立てる行為”から“人生全体の流れの中の設計”として捉えられるようになりました。

そして、社会人として一区切りを迎えたあと、
どのくらいの生活費が必要で、どんな時間の使い方をしたいのか——
たとえば、

  • 毎月の生活費はどの程度か
  • 趣味や旅行にどのくらい使いたいか
  • 将来の医療や介護の備えをどう見ておくか

こうした具体的な数字を出してみると、
「あとどれくらいの時間、どんなペースで資産を育てていくか」が少しずつ見えてきます。

年齢だけでリスクを決めるのではなく、“そのお金をいつ使うのか”を軸にリスクを調整する。
それが、自分に合った無理のない運用バランスにつながると思います。

焦らず、でも止まらず。
使う時期に合わせてお金を育てていく。
50代の投資には、そのくらいの距離感が心地よいのかもしれません。

第3章|50代のポートフォリオ実例 ― 「守り」と「攻め」をどう両立させるか

50代の投資で大切にしているのは、「資産を減らさないこと」と「運用を止めないこと」
守りに徹しすぎると機会を逃し、攻めすぎると不安がつきまとう。
この2つの間にある“現実的なバランス”をどう取るか――それが私の投資の軸です。


現在のポートフォリオ構成(2025年時点)

現時点では、資産の大部分を現金で保有しています。
これは「慎重」だからではなく、次の戦略を動かすための準備期間と捉えています。

区分内容比率
現金・預貯金普通預金、定期預金、個人向け国債など約80%強
投資資産株式・投信・外貨MMF・FXなど約20%弱

ここから数年かけて、投資比率を40〜45%程度まで高める計画です。
目指すのは、資産を守りながらも「成長を取りに行く」構造。
そのために、新NISAの制度を軸にポートフォリオ全体を設計しています。


5年間の基本戦略 ― NISAを中心に“非課税の成長エンジン”を育てる

新NISA制度は、50代の投資にとって非常に大きな追い風です。
私はこの制度を最大限活用し、非課税のまま資産を育て続ける構造をつくろうとしています。

枠の種類投資対象運用方針
つみたて投資枠全世界株式・S&P500など・その他投信長期・分散・安定。リスクを抑えて3〜5%のリターンを狙う。
成長投資枠個別株年50%以上を目指し、“攻めの核”として集中運用。
その他(NISA外)外貨MMF・米国債ETF・低レバFX通貨分散とインカム収益で“守り”を補強。

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成長投資枠は、“徹底分析→確信→集中”の場所にする

NISAの成長投資枠では、分散よりも「選択と集中」を重視しています。
その背景にあるのは、『5年で1億貯める株式投資』や
50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』などの考え方。

感覚や話題性ではなく、徹底的に分析して「この企業は必ず成長する」と確信できた銘柄に集中投資する。
これが、これからの私のスタンスです。

企業の成長性、財務、経営者の資本政策、業界構造――
納得して理解できるまで調べた上で、「この株は伸びる」と腹落ちした企業だけを持つ。
その“確信の強さ”こそが、50代の投資でリスクに耐える原動力になると思っています。

NISAの非課税という環境を活かし、
その“確信の一手”を税負担なしで育てられるのは、非常に大きなアドバンテージです。
だからこそ、成長枠は最も分析に時間をかける場所にしたいと思います。


投資ペースの設計(守りと攻めの時間軸)

1年目〜2年目は「守りを厚く、攻めを仕込む」期間。
現金をしっかり確保しながら、NISAを活用して投資の“仕組み”を作ります。
3年目以降は、配当・分配金の再投資やリバランスを通じて“資産を回す”段階へ。

フェーズ投資の方向性比率の目安
1〜2年目安定運用中心(つみたてNISA・外貨)投資比率 約30〜35%
3〜4年目成長枠を最大化(集中投資期)投資比率 約40%
5年目以降リバランスによる再投資サイクル投資比率 約45%前後

現金比率は常に50%前後を維持。
投資を拡大しても、生活防衛資金を削らないことを最優先にしています。


守りと攻めの最終バランス

カテゴリ内容・目安比率役割
守り資産(約50%)現金・外貨MMF・債券など生活防衛・再投資の原資。
安定資産(約10〜15%)つみたてNISA・高配当ETF安定成長を非課税で積み上げ。
成長資産(約35〜40%)集中投資銘柄分析と確信で狙う高リターンゾーン。
外貨比率(全体)約25〜30%通貨分散とスワップ収益で下支え。

5年後に完成する「回るポートフォリオ」

  • NISA枠を4年で埋め、5年目以降はリバランスで再運用
  • 成長枠は“分析×確信×集中”で非課税の成長エンジンに
  • 外貨・現金がリスクを吸収するクッションとして機能
  • 年1回の点検で微調整、焦らず資産を“回す”サイクルへ

最後に|守りながら、信じた成長に賭ける

50代の投資は、もう「一発逆転」を狙う時期ではありません。
ただ、守っているだけではつまらない。

だからこそ私は、
「確信できる成長」にだけ本気で賭ける。
その代わり、守りは手放さない。

分析を尽くした上で信じられる銘柄を選び、
非課税の中で静かに伸ばしていく。
それが、私が考える“50代のリアルな攻め方”です。

第4章|外貨運用を“積立”で育てる ― 為替を味方にする長期戦略

私は、外貨投資を「値動きで勝つ」ものとは考えていません。
目的はもっとシンプルで、**“日本円だけに依存しない資産を、時間をかけて育てる”**こと。
そのために選んだのが、ドルコスト平均法による外貨積立です。

円高でも円安でも、一定のリズムで買い続ける。
一見地味ですが、この“ブレない積立”こそ、外貨投資を守りの資産形成に変える一番の方法だと思っています。


外貨運用の位置づけ ― 「積立で守りを育てる」

外貨運用というと、「為替で儲ける」「短期で差益を取る」といった印象を持つ人も多いかもしれません。
しかし私が重視しているのはその逆。

  • 為替リスクを時間で平準化し、
  • インカム収益(スワップ・利息)を複利で積み上げる

この2つの掛け合わせが、50代以降の投資における“第二の安定軸”になると感じています。

円安・円高を読もうとするのではなく、
「買うタイミングを分散して平均コストを下げる」
それがドルコスト平均法による積立の本質です。


FX積立 ― 自動で時間を味方につける

私の外貨運用の中核は、**FX積立(低レバレッジ・長期)**です。
レバレッジは1〜1.5倍程度に抑え、日々の変動で一喜一憂しない。
積立を自動化して、為替のノイズを“無視できる環境”にすることを重視しています。

FXを主軸にしている理由は3つあります。

1️⃣ ドルコスト平均法が完全に自動化できること
 毎週・毎月の買付設定ができ、相場を気にせず積立が続けられる。

2️⃣ 低コストで多通貨に分散できること
 米ドル・ユーロ・豪ドルを中心に、
 一部はメキシコペソやブラジルレアルなど高金利通貨をスパイス的に保有。

3️⃣ スワップ金利が“もうひとつの配当”になること
 毎日自動で積み上がるスワップ益を、複利の力で再投資に回せる。

これらを組み合わせることで、
為替差益を狙わずに、為替を味方につける運用が可能になります。


スワップ課税の仕組み ― 「いつ課税されるか」を理解する

FXは税制の面でも理解しておくべき点があります。
利益の扱いは「申告分離課税(雑所得扱い)」で、税率は一律20.315%

ただし、課税のタイミングには2種類あります。

方式スワップの扱い課税のタイミング積立との相性
累積型(決済時課税)スワップを建玉に含めて運用決済したとき◎ 長期積立向き
即時受取型(毎日課税)スワップが毎日口座残高に反映受取時△ 管理が煩雑

積立運用では、「累積型(決済時課税)」のFX会社を選ぶことが重要です。
決済時にまとめて課税されるため、毎日の計算や申告の必要がなく、
スワップも複利で運用できます。

スワップ金利も含めて“時間で増やす”という意味では、
NISAの「配当再投資」と同じ発想に近いと思っています。


外貨MMFと米国債ETF ― 積立の補助ライン

外貨積立のすべてをFXに任せる必要はありません。
外貨MMF米国債ETFも、「守りの外貨」として補完的に使えます。

▪ 外貨MMF

  • 毎月一定額を購入することで、ドルコスト平均法に近い効果を得られる。
  • 手動設定が多いが、為替コストが低く、流動性も高い。
  • 為替差益は雑所得扱い(小額なら実質非課税)。

外貨MMFは「外貨の現金ポジションを積み上げる」ための口座。
相場急変時に円へ戻せる安心感がある。

▪ 米国債ETF

  • 半年に一度程度の「まとめ買い積立」が現実的。
  • 債券利回り+為替益を狙えるが、NISA以外では課税20.315%。
  • NISA内で保有すれば、分配金・売却益ともに非課税。

FXが“金利で増やす積立”なら、米国債ETFは“配当で増やす積立”。
NISAと課税口座を使い分けると、運用の効率が格段に上がる。


外貨積立の理想バランス

区分積立頻度主な商品目的比率の目安
FX積立(低レバ)毎週/毎月USD・EUR・AUD+一部高金利通貨為替分散+スワップ複利約60〜70%
外貨MMF月1回USD・EUR為替クッション+緊急用外貨約20〜25%
米国債ETF半年ごとBND・TLTなど安定利回り+インカム約10〜15%

この比率であれば、為替リスクを分散しながら
外貨を「ゆっくり育てる」ポートフォリオになります。


税制を踏まえた外貨運用の棲み分け

手段税区分税率特徴
FX申告分離課税(雑所得)一律20.315%長期積立に最適。スワップも決済時課税で複利運用可能。
外貨MMF為替益=雑所得総合課税(累進)※少額なら非課税小額保有なら実質課税負担なし。安全資産。
米国債ETF株式等の譲渡所得申告分離課税20.315%(NISAなら非課税)配当・売却益ともに安定。NISAで活用可。

最後に|外貨積立は“第二のNISA口座”

NISAで「非課税の攻め」を育てながら、
外貨積立で「為替を味方にする守り」を作る。

この2本柱があれば、相場環境に関わらず
どちらかのエンジンが常に資産を押し上げてくれます。

50代の投資は、“増やす”より“止めない”。
そして、“守る”より“育て続ける”。

外貨積立は、その考え方を最も実感できるフィールドだと思っています。

第5章|運用を“日常化”する ― 忙しい現役世代でも続けられる仕組み

40代後半から50代は、まだ現役として働く世代。
だからこそ、投資に時間も心も奪われない設計が必要です。

仕事の合間に株価をチェックしたり、為替を追いかけたり――
そんな投資では、本業も家庭も中途半端になってしまいます。
現役世代の投資は、「日中は仕事に集中できること」が前提条件です。

そのうえで、深く考え、調べ、判断する時間はしっかり確保する。
考えることをやめるのではなく、
“考える時間を選ぶ”ことが、50代の投資には欠かせないと感じています。


投資は「考える時間」を“選んで”使う設計にする

若い頃は、仕事も家庭も忙しく、投資に使える時間などほとんどありませんでした。
知識も経験も乏しく、
「新聞に書かれていることを鵜呑みにして投資したり、思いつきで買ってしまったり」――
今思えば、あの頃の投資で勝てるはずがありません。

だからこそ、50代になった今はまったく違います。
「なんとなく」ではなく、「確信を持って投資する」
そのために、徹底的に調べ、理解し、納得できた銘柄にしかお金を入れません。

ただし、毎日投資のことを考えていたら本業に支障が出ます。
だから私は、“投資に考える時間を奪われない設計”を意識しています。

日中は仕事に集中し、週末は家族との時間を優先する。
その代わり、夜の静かな時間や週末の数時間を「思考の時間」に充てる。

その時間だけは、徹底的に分析します。
財務諸表、業界構造、競合比較、経営者の言葉、事業モデル――
あらゆる角度から見て、「この企業は伸びる」と確信できるまで調べる。

投資に支配されるのではなく、投資を設計して使いこなす。
そのために“考える時間を選ぶ”ことが、50代の投資には欠かせません。


投資を支える“自動化の仕組み”をつくる

考えることと、毎日管理することは別です。
調査・判断の時間は集中して使い、
日々の積立や入金、買付は“仕組み化”してしまう。

  • NISAの積立設定を自動化する
  • FX積立の買付を週次または月次で自動実行
  • 外貨MMFの買い増しを月1回固定日に行う
  • 入金口座→証券口座の自動振替を設定する
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こうしたルールを決めてしまえば、
「投資を考える時間」と「投資が動く時間」を完全に分離できます。
考える時間は深く、運用の時間は静かに――。
それが、現役世代の理想的な投資リズムです。


資金を分ける ― 心を軽くする整理術

投資を日常化するうえで、資金の区分はとても大切です。
生活と投資を混ぜると、感情が入り込みやすくなります。

私は、資金を次の3つに分けています。

区分主な内容目的・考え方
生活資金給与・生活費・急な出費「安心」のためのお金。いつでも使える状態に。
投資資金NISA・株式・投信「成長」のためのお金。中長期の設計で動かす。
外貨資金FX積立・米国債ETF「分散」のためのお金。為替と金利を味方に。

この3分類にしておくと、
どのお金をどう使うかが明確になり、精神的な安定につながります。
“投資に生活が影響しない構造”をつくることが、継続の条件です。


リバランスの頻度は“生活のリズム”で決める

リバランスの理想頻度については、半年ごと・年1回など諸説あります。
しかし、重要なのは「自分の生活に無理のない頻度」であることです。

相場がどう動いたかではなく、
“自分のリズムの中で整える”という感覚を持つ。

  • 半年に1回、落ち着いて見直せる時期に調整する
  • あるいは年1回、年末の振り返りとして整理する
  • それ以上頻繁に動かす必要はない

リバランスは「勝負の場」ではなく、「整える時間」。
生活リズムに合った頻度で、長く続けることが一番の成功法だと思います。


“考える投資”と“続ける投資”を両立させる

50代の投資は、若い頃のように勢いやノリでは続きません。
かといって、完全に自動化された“思考を伴わない投資”では大きく資産を増やすような投資は出来ない。

大切なのは、「考える投資」と「続ける投資」を両立させること」です。

徹底的に分析し、納得して投資する。
しかし、仕組みが整っているからこそ、
投資を日常生活の邪魔にしない。

考える時間を「選んで使う」。
その一点さえ守れば、投資は人生のリズムを乱さずに成熟していきます。


最後に|投資を“人生の背景”に置く

投資は、人生の主役ではありません。
でも、安心して働き、暮らしを楽しむための“背景”としては欠かせないものです。

昼間は仕事に集中し、
夜は家族と食卓を囲み、
でも、積立を中心に分析して集中投資も行う。

それが、私の理想とする「50代の投資のかたち」。
派手ではなくても、整っている投資ほど強い

“考える投資”をやめずに、
“考えすぎない仕組み”で、淡々と積み上げていく。

それが、50代の投資を長く続けるための、いちばん現実的な方法だと思っています。

第6章|まとめ ― 投資は“自由を設計するための習慣”にする

50代からの投資は、「お金を増やすこと」よりも、
どう生きたいかを自分で設計することに近いと思います。

NISAを軸にした成長投資、外貨を組み込んだ分散設計、
そして“考える時間を選ぶ投資スタイル”――
どれも目的はひとつ。仕事や家庭を大切にしながら、自分で未来を決める力を持つことです。

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目標はあくまで通過点。
投資資産1億円も「お金のゴール」ではなく、
自由な時間・場所・選択肢を得るための仕組みづくりに過ぎません。

焦らず、仕組みを整え、継続する。
それが、現役世代として投資を“日常に溶かす”いちばん現実的な方法だと思います。

50代からでも遅くない。
むしろ、“自分で選び、考え、育てる投資”ができるのは、
人生経験を積んだ今だからこそ――そう感じています。

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この記事を書いた人

こんにちは、おかだ しょうざぶろうです。
2008年に入社した大手IT企業で、ビジネス開発や新規事業を担当してきました。数年前には子会社に出向し、教育事業の立ち上げを責任者として担当しました。
それ以前は、IT業界専門の人材サービス企業で人材紹介サービスの新規事業立ち上げに携わり、最終的には人材紹介事業の責任者も務めました。
大学4年生、高校1年生、中学2年生の3人の父親でもあります。
「Journey from 50」では、投資・副業・起業・健康・学び・旅・食・子育てなど、50代からの挑戦をプロセスごとにリアルに発信。結果だけでなく挑戦の過程を共有し、読者の皆さんと一緒に「人生に遅すぎることはない」を体現しながら楽しむことを目指しています。
資格をとる気はありませんがファイナンシャルプランナーの学習を開始しました。

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